回送運行許可申請

自動車のプロの方でしたら「いつかは回送運行許可を受けて赤枠ナンバーを!」とお考えになると思います。
実際には各エリアごとに許可の基準に若干の際はありますので、当方では主に関東エリアのお取り扱いをさせていただきます。回送運行をお考えの方でしたらすでに台数などのハードルはお調べいただいているかと思いますが、外せない要件だけ挙げておきます。

回送自動車の定義回送の目的
製作(架装)自己の製作に係り回送する自動車自己工場と依頼者、車体架装工場、自動車置場、テストコース間の回送
陸 送他人から委託を受け、指示された場所間を回送する自動車委託者の指示する場所間の回送
販 売自己の販売しようとする自動車の展示・整備・改造、販売した自動車の納車、仕入れた自動車の引き取り、販売・仕入れに伴って必要となる車検・登録・封印のため回送する自動車自己の営業所と仕入先、納品先、自動車置場、車体架装工場、整備工場、展示場、顧客所在地、運輸支局間の回送
特定整備車検のために回送する自動車車検のために自ら特定整備しようとする自動車の引き取り、車検のために自ら特定整備した自動車の引き渡し、車検のために自ら特定整備した自動車の車検場までの回送
※関東運輸局HPより抜粋

上記のうち実務的にもっとも広く使うことになるのが「販売」になります。
「販売の要件 :月12台 x 3か月 = 合計36台以上の販売実績」

・・・どうでしょう、難しいですよね?
月12台という実績は、いったん回送運行を取ってしまえば本当に何でもない台数なんです。
しかし、最初の最初は回送運行なしでこの実績をあげないといけないんですね。どうしましょうか?
どちらで相談しても「とりあえずは自力で何とかそこまでやってください、話はそれから」と言われると思います。
当方に相談いただきましても基本的には同じです。話はそれからです。
それについて不正なお手伝いは一切しませんが、そのかわり「こうやればちょっとは楽かな?」というのはあります。
間違ってもテンプラナンバーに手を染めるのは絶対に止めてください。必ずばれます。
何かあったらすべてがパーです。

ヒント① 輸入車は1台で2台分のカウントになります。
「輸入車」の定義とは、車検証の車名によります。
実際に海外から輸入された車でも、例えばタイマーチや三菱ミラージュは含まれません。
なぜならそれらは車名が「日産」 「三菱」だからです。
逆の例だとアバルト124スパイダーなどだと車名は「アバルト」になりますが、こちらは国産車として登録されているので
(厳密には)国産車でカウントされます。
この辺の例外だけ理解しておけば、数合わせでオークション会場のゼロ売切コーナーで適当な車種を買うのもひとつ
の方法です。



ヒント② 【新規の申請の場合のみ】販売が厳しいと分かり切っている月間ははずす。
5月と8月と年末年始、主要なオークション会場は休みます。
ここで実績を組み立てようとすると他の月よりは厳しい条件になります。
そして2月は稼働日も少ないですしいわゆるニッパチで売上もやっぱり落ちます。
新規はどこで連続する3か月を組んでもよいので、組みやすいところでしたらどこでも結構です。
ただし、6/7/8月と組んだ場合は、継続組の申請の審査で込み合うタイミングとなるので
許可が若干遅くなる可能性もあります。


ヒント③ オークション計算書が重要です。
〇月〇日 買い  → △月△日 売り   とにかくこれで1実績です。
買いと売りが一対です。「3か月間にこれが36回あるんですよ」というのが疑義なく客観的に示せさえすればそれでよいです。
輸出でも、廻しでも、解体業者さんに商品車の状態で持ち込んでも1実績です。

※ここで注意 
・買ったものを自社ヤードでハーフカットなどしてしまった場合これは販売実績にはなりません。
 輸出でカウントできるのはあくまで丸車で出荷した場合のみです。
・完全なブローカー仕事 AさんにBさんを紹介して口銭だけ貰う場合。これも販売実績になりません。
・リースで貸した場合。 12台仕入れたクルマを12台そのままお客にリースで出してもそれは販売実績になりません。


輸出業者の方は国内小売専業の方よりやや有利ですが、それでも足りない場合は廻すなり
ネットオークションで売るなりで実績を組み立てるほうがよいです。
廻しはプライドが許さない!という潔癖な方もおられますが、「あと1台2台」のためでしたらそこは何とかお願いします。
・・・でも実際大手さんでも調整室で眺めてたら結構廻してますよ?消費税は払いますが(笑)

継続申請の場合
こちらはもう選択の余地がありません。ずばり、6月/7月/8月 一発勝負です。

有効期限が5年になった年度(令和2年)に苦労して申請された方も多かったかと思います。
前回はコロナで特例があったので命拾いした方もあったかと思います(うちもそうです)が、
次回からは残念ながらそれは通用しません。

継続申請は新規申請より集める書類は少ないものの、「3か月36台達成」のルールは絶対です。
前回ギリギリでクリアできた方は、年度の最初からこの3か月にフォーカスした商いでお願いします。
例年5月は販売実績の厳しい月ですが、お客様の都合と資金繰りが許せばなるだけ6月期の売上にしてしまいましょう。
8月期は仕入もストップしますし、国内でも輸出でも台数が稼ぎにくいです。6/7月中心で組み立てましょう。